すくってあげるから
はぐれそうになったら
きみをおよがしてあげるから
きれいなみずで
ちいさいかもしれないけど
きみのための きみだけのうみ
満ちる海と月と
(第一話)
走る 星を 見つけた。
たくさん たくさんの 星。
そしたら 目の前いっぱいに広がって 弾けた。
ぱらぱら ぱらぱら 落ちる 星屑。
消えないで ねえ 待って。
星屑を 掴んで 手のひらの中に閉じ込めた。
隙間から 漏れる光と 小さな音。
ああ これは 海の音。
やさしい やさしい 波の音。
★
金木犀の良い香りのする、10月の初旬のある日。
学校から帰って自分の部屋に入ると、ベッドの上に大きな袋がドンッと置いてあった。
(誕生日プレゼントかな? それともクリスマスプレゼント?)
でも私の誕生日は2月で、クリスマスはまだまだ先。
それにウチの親がイベント事でもないのにプレゼントくれるわけ無い。
だったら、何、コレ?
(妙に気配感じるんですけど……。)
取り合えず開けてみようと、袋の一番上に結んである赤いリボンをほどいた。
リボンをほどくと、袋の上を何重にもぐるぐるに巻きつけてあった。
「なんでこんなに?」と思いながら、少し期待に心躍らせてリボンを取り除く。
大きいヌイグルミとかが入ってたらいいな。ふかふかした感じの。
そしたら、中を見る前に、中身が先に飛び出してきたんですけど。 (え!? どうして?)
「何しやがンだテメーーーーーッ!!!!!」
赤いふわふわした髪の男の子が、私に向かって叫んできた。
140センチぐらいで小6〜中1ぐらいの男の子が、変な格好した男の子が。
「ま、待って。(まだ) 私何もしてないから」
どうどう と、犬や馬を落ち着かせる様に男の子を宥めながら、ちょっと言い訳してみる。
そしたら落ち着いてきたのか、 (挙動不審気味に) 周りをキョロキョロし始めた。
あ、ちょっと可愛い。見る限り年下な彼を自愛に満ちた目で見ながら、もう1回話しかける。
「ねえ、ボク? なんで袋の中に入っていたの?」
一番高い女の子な声を出して、優しく聞いた。
………つもりだったんだけど、それがいけなかったらしい。確実に怒ってらっしゃる。
え、声が気持ち悪かったとか?
自分で発した声は、自分だとどう聞こえているか分かんないんです。
骨伝わるからいい感じに聞こえてたのかも。
自己満でした。御免なさい。
「………誰が、“ボク”だ。 アァン!! 」
怒るところソコ!? あー良かった………じゃなくって!
どっからどー見ても年下の彼に、何て尋ねれば良かったんですか? 私は。
あ、怒った顔も可愛い。ホント可愛いなあこの子。 (わあ、変態臭いよ私)
「お前、誰だよ」
「です」
「ここはどこだ」
「私の部屋です」
「そんなの見りゃあ分かる。俺が聞いてるのはどこの里だってことだ」
里ってなんだろう。もしかしてこの子めちゃくちゃ田舎から来たとか。
電車賃払えないから、袋に入って荷物として運ばれてきたとか?
「えっとここは東京都だよ。分かる?」
「………どこだ」
「日本の首都の東京。本州の真ん中より少し上ぐらいに位置するところ」
「………そんなとこ、知らねぇ……」
「………もう1回聞くけど、なんで袋に入ってたの?」
―――シーン。
「………多分戦いに敗れたと、袋に入れられて捨てられたんだろ」
―――シーン。
「袋にって……え? 生きた人間を袋に入れて捨てないでしょ」
「俺はもう人間じゃねえ。傀儡だ」
頭大丈夫かな、この子?
傀儡って操り人形みたいなのでしょ。顔の恐い。
「人間は傀儡にはなれないでしょ」
「………俺は人間を傀儡にできるんだよ」
「うそだー」
「嘘じゃねぇ」
「ウソ」
「だから嘘じゃねぇって言ってんだろ!」
「だって無理だもん。そんなことしたら捕まるもん」
「つかまんねーよ」
傀儡の作り方なんてしらないけど、グログロでグッチョグチョな感じ。(がする)
ついでに人を殺してからじゃないと無理っぽい。(気がする)
「……あのさ……」
「…ンだよ」
「もしかして、君、犯罪者とかだったり?」
まさかねー。とか、そんなことないよねーー。とか口走りながら(相当テンパってる)私は彼の返答を待った。
だって人を殺したりなんかしたりなんかしないでしょ、普通は。(そんなことしたいと本気で思ったことも無いし)
だから返事も期待通りのものが貰えると思っていたんです。
「ああ、そうだぜ」
極々さも“何当たり前の事を言ってンだよ”的に発言をかましてくれちゃった彼は、
「寒いな」と言って、ベッドの毛布にくるまり始めた。(可愛すぎなんですけどォ!)
(えっ。でも、ちょっと待って!)
目眩の置きそうな頭を抱えて、どうしようかと本気で悩んだ。
はじめまして 可愛い可愛い 私の さかなさん
to be continued later...
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サソリさん相手の逆トリップ夢。しかもサソリさん体が人間で、若返ってます。
retouch :06/11/05