わーーー。なんだかなーーー。
転校初日から散々な状態ですよ。マジで。
(私の目標は、地味に 静かに ひっそりと です)
今からでもフランスに飛び立ちたい。
夢の世界に脳内トリップとかでもいいな。
(「ピータパン! 私、空が飛びたいわ!」「じゃあ体に妖精の粉をふりかけて★」)
カモーン!ピーター。ウィンディより私の所にッ…!
(でも、現実は………。)






Prince Charming

(第四話)





、その玉子焼き美味しそうだね」
「あ、そっすか……」
「ちょーだい?」
「あーでも。これ最後の一個って言うか。これ一個しか入ってなかったって言うか」
ちょーだい?
「……どぞ」



誰か助けて下さい!
(もう無理!絶対無理!)

笑顔で(しかもめっちゃ黒い!)キラキラしながら(でもむっちゃ怖い!)
さっきから私のお弁当取ってくる河野亨と、
さっき友達になった(すごく優しくて親切な)坂本君と、
河野亨に苛められている私を一生懸命心配してくれている豊君
(ちょっぴり可愛い。これって男子校パワー!?)と、
私で、今、お昼ご飯を一緒に食べています………。
(河野亨がいなかったら最高のお昼なのに……)
(ピーターー!! カムバーーック!)


今日で最後のお母さんの玉子焼きをコイツに取られ、私の心は最高にササクレ状態デス。
なんかね。人に優しくしたくない気持ちになってきた。
どうしようコレ。人間失格? 優しさの足りない私は如何すればいいですか?
バファリンを半分だけ大量摂取して、優しさを取りもどせばいいですか?
つーか、優しさだけのバファリンをだれか作ってよ。
(もう、自分でも何がなんだか)



「ねっねえ! もさ、転校生なんだよね?」
「うん! そうだよ!」
「……、坂本が話しかけた途端そんなに嬉しそうにしてるわけ?」



それは、アンタと話すより何倍も何十倍も安心出来るからに決まってるでしょ!!
(って、口に出して言えたらどんなにスッキリするか……。言ったら確実に殺されるな……)
坂本君と話すと優しい気持ちが私に戻って来る。
そんな気がする。絶対。うん。きっと。うん。だって坂本君だし。
今も、私を哀れんで助け出そうとしてくれてる彼は、やっぱり優しい人だ。(ジーン)



「この学校ってさ、転校生ってあんまり来ないの?」
「うーん……新学期始まってからは河野とが初めてじゃないかな」
「そっかー。僕も想定外の転校だったんだよねーー」



しかも男子校だったし。
誰にもいえない大きな秘密を抱えているんだよね。実は。
(でも“私”から“僕”に変えただけでバレないなんて、女として複雑な心境)



の着てる学ランって珍しいよな」
「そうだね、大抵黒いからね学ランって。だから余計目だっちゃたんじゃない?」
「白だからねーー。あっ! 転校生が珍しいんじゃなくて、この学ランが珍しかったのかな?
自分で1回着てみたかったとか?」
「……………。(それは絶対ないと思う……。)」
「……………。(コイツ自分のこと自覚してないんだな……。)」
「あれ?二人共どうかした?」
「えっ! いや、何でもないよ」
「あ、ああ! うん。何でもない何でもない!」
「っていうかはさ、学ランじゃなくてその女顔が良かったんじゃない?」



ピシッ。



「それ、どういう意味?河野亨君」
「そのまんまの意味だよ。女顔だし。それに背も小さいし」
「別に僕小さくなくない!? 165センチだよ! 165!!」
「小さいって。なあ? 実琴、坂本」
「う、うん。大きくは、無いかもね」
「あー、男のわりには低いかもな」



えっ!? ちょっ!? 待ってよ!!
二人共ソコは頷く所じゃないでしょ!!
(女顔って……。だって女の子だもん。しょうがないじゃん!!)



「それなら言わせてもらうけど!! アンタ等3人だってそんなに背、高く無いじゃん!!
僕が女だったらヤダね!! 絶対好きにならないね!! 自分と同じ位の身長の男なんて。
しかも、河野亨と豊君だって立派な女顔じゃん!! 僕だけが女顔ってわけじゃないもん!!」

「……………」
「……………」
「……………」



シーン。

あれ? 私なんかしくじっちゃった? 言いすぎた? もしかして。

坂本君はなんとも言えない顔してるけど、 それ以外の2人、下向いて、恐い。
(嫌な予感がする。なんでか分かんないけど、そんな気がする。)
本能で危険を察知。でも察知したからといって、何にも出来ないんだけど。
なんか豊君も、河野亨みないな雰囲気かもしだしてきたし?
(マジでやばいんじゃない。私)







下を向いたまま豊君が私を呼んだ。
(んんッ!? 顔に翳りが……?)



って俺のことそんな風に思ってたんだな………」



顔を上げて私の目を見つめる豊君。
キラキラ光る目元が、ちょっと切なげな表情が………。
(ちょっと、そんな潤んだ瞳で見ないでよ!)
頭の中で何かと何かが激しい葛藤を開始しちゃうよ。
豊君って男の子だけど、女顔だけど、美形なんだもん!
(ドッセーーーーーイッ!!!)



「俺、の事結構好きなのに………」



今度は河野亨が切ない顔と声を、うをををををを!!
コイツも からかってるんだよね? そうだよね!? ねえ、誰か教えて!?
だって好きなのにって! 好きなのにって!
(私は女だけど、今は男で! でも女で! 美形好きだし! だって女だし。でも今は男で…!)


顔が熱い。何回赤くなれば気が済むんだ、私の顔。
マヌケな顔して2人を見て、「二人共カッコいい」なんて思ってたら末期でしょ。
ジリジリ近づいてくる2人。
もう後、目と鼻の先。ぶっちゃけ、すっごい近い。



「う、あっ! キャッ!」



耳噛まれて、息吹きかけられて。
耳元で2人に「」って囁かれて。
(もっ……もう……………)



「あーーーー!! もーーーー!! 無理ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」



2人を押しのけ、扉まで全力ダッシュ。
そのまま扉開けて、逃げた。
最初からこうしてればよかったじゃん、私!
(でも豊君があんなキャラだったなんて知らなかったもん!)
ドタドタ階段下りて、教室まで全力疾走。


―――今更昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


(遅いっつーの!!)













<その頃の男子達>



「あーあー行っちゃった」
「河野達が苛めるからでしょ………」
「だって可愛いんだもん、
「ホント、女の子みたいだよな」
「虐めがいあるし」
「直ぐ赤くなるし」
「「癖になりそうだよね(な)」」
「……………。(頑張って!)」










to be continued later...

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主人公は「ー」が多いです。
retouch :06/10/15
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