お昼休み後の2時間の授業は、頭に全然入らなかった。
(隣から来る、し、視線が強くて……)
チラリと隣を見てみれば、バッチリ視線が合いまして………。
(男の子の美形って、恐い)
Prince Charming
(第五話)
帰りのHRが終わり、「さあ! 帰るぞ!」と意気込んで鞄を持った。
一秒でも早くこの学校から出て行こう。
お友達に帰りの挨拶をして、普通に帰ればいいだけさ。
(お友達って言っても、このクラスで仲が良いのは豊君だけだ)
さりげなく彼の方に体を向けて、下のほうにある視線を上にする。
(顔は見れないから、第一ボタンの辺りだけど)
ふと頭によぎるのは、昼休みのこと。
(あああああ! 忘れろ、私!)
「じゃ、じゃあ豊君、バイバ………」
「それじゃあ帰ろうか、」
え? 今 何て言った?
前の学校では、よく友達と一緒に帰っていましたよ。
(女の子同士だったし、帰る方向一緒だったし)
でも私と彼は、今日会ったばっかりで当然プライベートな情報は一切交換無し!
よって! 私と彼はケータイの番号やアドレスも知らないし、ましてや家の住所を交換し合った仲ではありません。
(これから知っていけばいいんだろうけど、そんな勇気のいること、自分からは絶対しないし!)
「僕ね、寮に住む事になってるんだよね」
「俺も寮生だから」
「うっそ!!」
「いや、本当に。何? 俺が寮に住んでたら何か不都合でもあるのか?」
「(有りすぎなんですけどー!)」
「それじゃあ……」
「うん?」
「帰ろうか。(キラキラ)」
この微笑みは、男子が噂していた【女王様の微笑み】ってやつでしょーか。
『あの微笑みを見ると、逆らえないんだよなぁ』って言ってた男の気持ちが分かる気がします。
(何だこの威圧感! 言う事聞かないといけない気がする)
「……ハイ……」
そう声を絞り出して、私は彼について行きました。
下駄箱過ぎた辺りで彼の左手が私の右手に触れたとき、
(私)*「あ、ごめん」
(豊君)「ん? 別にいいよ」
こんな会話をして、
急に歩く歩調が早くなったと思ったら、
(あれ? 私歩くの早いじゃん。とかなんとか考えたわけで………)
右手首に何か硬い絞まるものが。
(右手が圧迫されて血が止まるかと思った)
手を、捕まれてました。
(男の子の手って、大きいんだなあ)
って考えたら 思考がボヤっとして
次はリアルになっちゃって……。
ずっとそれの繰り返し。
(心臓、持たない……)
妙にバクバクする心臓を左手で押さえながら、この脈が彼に伝わりませんように。
そう 何回も頭の中で呟いた。
★
「ここだよ」
そう言われて、外観を見ると結構綺麗な建物だった。
未だに手を捕まれたままで
(もう離してくれていいのに)
中に入ると一番最初に目に入ったのは、透ける様な金色。
「おんな……の子?」
髪の毛の長い(多分)綺麗な人が、こっちを見る。
(わあ…! 可愛い!)
金髪の人は天使のみたいに可愛い人。
愛らしくにっこり笑ってくれるから、私もにっこにこしてみた。
(ニヤニヤの方が正しいかもだけど)
途端。
「俺……男だから」
「………え゛?」
今まで見た中で見た中で、一番黒々とした笑みを向けられた。
(ももも、もしかして、この人も………)
現実逃避しそうになった頭は、右手の痛みで呼び戻されてしまい……。
(行かせて下さい! もうこんなんばっかりだーー)
目から涙が出そうになるのを必死で堪えながら、私は金髪の人に謝る。
――カチカチと時計の針の音が無駄に聞こえてきました。
to be continued later...
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やっと四方谷でました!
retouch :06/11/04
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