真新しい制服に身を包み、新しい通学路を確認しながら歩く。
隣には変わらず貴方がいて、変わらず私に笑顔を向ける。
同じ学校に通うのに違う制服を着ている私たち。
これからまた、新しい3年間が始まるんだね。






un(less a miracle happens) 05






「私は3組みたい」
「わたしは〜あった!B組だ!」
「校舎は違うけど遠いのかな?」
「どうなんだろ?ってか私普通科の制服のが好きだー」
「じゃあ今から普通科になる?」
「無理!先輩音楽科だし」
「というか美咲って楽器弾けるっけ」
「弾けるよ!これでも小1からずっとピアノやってるんだから」
「まあ知ってるけどさ」



火原先輩が星奏行くって分かってから、今までより更にピアノに力入れてたのも知ってるよ。
でも。楽譜ばかり目で追ってる貴方を見て私がどんな気持ちになったかは知らないよね。
言ってもない。言うつもりもない。
そんな事いったって、貴方は変わってくれないから。

クラス別けの張り紙から少し離れた所で二人で話していたら、火原先輩がやってきた。
入学式まで時間があるから校舎の中を案内して貰うらしい。
ちゃんも一緒にどう?」と誘われたが、私は断っておいた。

遠ざかる背中を眺めながら、これからどうしようか考える。
自分のクラスにもう行こうかな。
でも美咲に合わせて学校に来たから、周りにはほとんど人はいない。
この様子なら多分教室にも人はいないんだろうな。
あまり早く行ってはりきってる奴だと思われたくない。

そういえば私――



「美咲とクラス離れるの初めてかもしれない」



中学校で知り合った美咲とは、3年間ずっと一緒のクラスだった。
だからここまで仲良くなれたのかな?
そうじゃなくても同じだったかな?

ああ。でも、もう。



「どうでも、いいか」



これから先、絶対一緒になんてなれないんだから。
でも良かったのかもね。
貴方に感じる劣等感を隠さなくて良くなった。
それだけで私の心は大分楽になるんだよ。

ねえ?私ってこんな子だったっけ?

空を眺めて薄っすら笑う。



「取りあえず。屋上にでも行こうかな」













長い階段を上って、ドア付近まで行くと中から音が聞こえてきた。
美咲たちかな。と思いドアに耳を当てるとどうやら違うみたい。
ドア越しに聞こえるのは人の話し声でも、先輩の吹くトランペットの音でもない。
優しい高さのふんわりとした音だった。

中に入ってみるといっそう音は広がって。
心に素直に響いてくる。
綺麗だな。なんて思いながら、隅のベンチに腰を落とす。
演奏している人は柵の方を向いているから私には気が付いていない。

このまま気付かずに、演奏し続けてくれないかな。



そんなことを、心地よい風と音に目を瞑って考えた。










to be continued later...

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また約一年ぶりの更新…。高校生になりました。
キャラの昔のクラス分からないので、主人公が1年の内はクラス内での絡みは少ないと思います。取りあえず1年時では柚木・月森・土浦を出していこう。
retouch :07/08/15
ワンドリ投票箱に清き一票を!!!


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